コロナによる休校が始まったとき、私は心の底から「救われた」と思いました。
世間では「学校が休みで寂しい」「みんな大丈夫か」などと騒がれていました。でも私の場合、コロナ以前に、すでにかなり疲れ果てていたのだと思います。部活も受験も、「このままじゃ大丈夫じゃなさそう」という大きな不安を抱えたまま、日々の忙しさでそれをごまかして過ごしていました。今振り返ると、余裕がなくてしんどい日々を送っていた人は、私の周りにもたくさんいた気がします。
そんな中で、コロナによってコンクールがなくなりました。正直に言うと、コンクールがあるとかないとか、だから自分はどうするとか、そういうことを考える余力すらありませんでした。思考が止まりかけていた、というのが近いかもしれません。休校期間は、まず自分を回復させて、受験の準備をするだけで精一杯でしたし、その後も忙しさの中で自分と向き合えない時間が続きました。
ただ、コンクールのためにずっと頑張ってきた友達がいました。そして先生方と、コンクールを見据えて練習し、考えてきた時間がありました。サマーコンサートでは、当初コンクール曲として取り組んでいた曲を、きちんと演奏したい——そんな思いで企画したのだと思います。
それでも当時の私たちは、自分たちの気持ちをどう消化して、どう整理して終わらせるか、綺麗に決断をつけて前に進む力を、個人的にも、部活全体としても持てていなかったのだと思います。
だからなのか、思い出そうとしても、はっきりした映像より先に、薄暗い感覚がよみがえります。
それでも、あの夏に演奏会をしたことは確かで、あの時間が今の自分につながっているという感じがします。