苦しい時も音楽に救われてきた、持ちこたえさせられたと思う。

高校生のある時、体調というか疲れでずっと調子が悪くて、学校の成績がすごく下がっていた時があった。

物理の課題が提出日までに終わりそうにないから、いつものように朝の3時に起きようと思った。けど、重く辛くて、いつものように体は動かなかった。

でも、本当に動かないとまずいと思った時、シェヘラザードの3楽章のクラリネットのソロ(「王女の主題」)が勝手に頭を流れた。これを流せば動けると私の無意識はわかっていたようだ。かろうじて課題に取りかかれた。

薄暗い廊下で練習している時、さまざまな心を追い詰める記憶を反芻していて涙が止まらなかった。

でもその時練習していた、ハイドンのオーボエ協奏曲2楽章のメロディーが自分から奏でられて廊下で美しく響く時、自分はまだ生きていたいという気分になった。

オケや吹奏楽には、誰がどんな立場かという空気がどうしてもある。牽制や圧を感じたり、睨まれたように思うこともあった。私もまた、誰かを傷つけたのだと思う。

そうであっても、楽譜から奏でられる音楽、合奏で作られる音楽は素晴らしい。ただ音楽に没頭できる時、この上ない幸福を感じる。

そういう感覚だけは、これからも大切にしていたい。